天文宇宙検定 1 級受験記 (3rd try)
11 月 22 日に第 10 回「天文宇宙検定」の 1 級を受けました。自己採点の結果 100 点中 49 点だったので今回も残念ながら不合格でした。本記事はその受験記になります。
天文宇宙検定とは
例年 10 月に開催されている民間の検定試験です。今年はコロナ禍の影響で 11 月に開催されました。1 級から 4 級まであり、1 級受験には 2 級の合格が必要になります。試験の形式や出題内容は以前の受験記で書いたのでそちらをみてください。
- 天文宇宙検定 1 級受験記 (2nd try) (2019)
- 天文宇宙検定 1 級受験記 (1st try) (2018)
- 天文宇宙検定 2 級受験記 (2017)
1 級試験は 70 点以上で合格ですが、他の級とは違って 60 点以上 70 点未満も準 1 級合格という扱いになります。前回は 62 点で準 1 級合格扱いだったのですが、今回は準 1 級にも届きませんでした・・・
今回の勉強方法
基本は前回と同じように勉強しました。
公式参考書
前回までは公式参考書として『超・宇宙を解く ― 現代天文学演習』が指定されていましたが、2020 年 2 月に改訂版である『極・宇宙を解く ― 現代天文学演習』が出版され、今回からそちらが使われるようになりました。
まずは新しい参考書をキッチリ理解するのが重要だろうということで、演習問題をなるべく解きつつ読み通しました。改訂版から問題の詳解が公式ページで公開されるようになったのがとても良かったです。
改訂された箇所が特に出題されやすいだろうと予測し、旧版からの差分をチェックしながら読みました。詳しくは読書メモの記事を書いたのでそちらを見てください。
公式問題集
公式問題集は二年に一度のペースで出版されています。今年は 2020-2021 年版が新しく出版されたので一通り解きました。他に 2016-2017 年版と 2018-2019 年版の問題集も持っているんですが、前回までに何度も解いて答えを覚えてしまっていたので今回は解きませんでした。
過去問
2019 年の過去問を解き、2017 年と 2018 年の過去問は流し読みしました。2018 年以降の問題と解答はオンラインで公開されています。
以前は 2017 年の過去問も公開されていましたがもう公開されていないようです。公開されているうちに保存しておいた方が良いかもしれません。公式問題集にも過去問が載っていますが全部はカバーされていません。
宇宙関係の本
参考書には載っていない事柄を回収すべく宇宙関係の本を何冊か読みました。
天文宇宙検定では素粒子に関する話題も出題されるため、その辺りの基本的な知識と最新の観測研究について理解しようと『2 つの粒子で世界がわかる ― 量子力学から見た物質と力』と『深宇宙ニュートリノの発見 ― 宇宙の巨大なエンジンからの使者』を読みました。
『見えない絶景 ― 深海底巨大地形』は厳密には宇宙関係の本ではありませんが、海の形成は太陽系の成り立ちに深く関わっており、実際本書の後半では太陽系形成史に関する内容が述べられています。
『見えない絶景』を読んで自分の持つ太陽系の形成史や小惑星に関する知識が薄いと分かったので、それを補うために『宇宙岩石入門 ― 起源・観測・サンプルリターン』を読みました。
今年は火星探査機パーシビアランスの打ち上げもあって火星が盛り上がっているしきっと出題されるに違いないと思い、『火星ガイドブック』を読みました。
あと日経サイエンスを定期購読しています。時事問題の対策と面白そうな宇宙関係の本を探すのに役立ちました。
ネット
分からない用語や事象は Wikipedia や天文学辞典で調べ、オンラインのノートにまとめていました。また観測衛星や探査機、研究機関の公式 Twitter アカウントなどをフォローして新しい情報をチェックするようにしていました。そのおかげで何問か正答することができました。
試験の手応えと来年に向けて
知識として知らない問題が多かったので試験が始まった時点で合否が決まっていたと思います。改めて勉強の仕方を考え直さないと来年も駄目そう。とりあえず現状思うこととして・・・
- ネットで宇宙関係の最新情報を集めるのは良かったけど、各ニュースの背後にある技術的な部分を深掘りできなかったのは良くなかった。
- 歴史的な知識は最新情報ばかりを追ってても身につかない。天文学者の伝記や星座に関する本をもっと読むべき。
- 丁寧に参考書を読んだつもりだったが、まだまだ読み込みが足りなかった。
合格できるまで受け続けようと思ってるので、めげずに来年も頑張ります。