10 月 20 日に第 9 回「天文宇宙検定」の 1 級を受けました。結果は 100 点中 62 点だったので 1 級不合格で準 1 級合格扱いでした。本記事はその受験記になります。

看板

天文宇宙検定とは

毎年 10 月に開催されている民間の検定試験です。1 級から 4 級まであり、1 級受験には 2 級の合格が必要になります。試験の形式や出題内容は以前の受験記で書いたのでそちらをみてください。

1 級試験は 70 点以上で合格ですが、他の級とは違って 60 点以上 70 点未満も準 1 級合格という扱いになります。今回 62 点だったので準 1 級合格でした1

準 1 級認定証

今回の勉強方法

基本は昨年受けたときと同じですが、反省点を踏まえていくつか新しい取り組みをしました。

参考書と問題集

公式参考書

1 級の公式参考書として『超・宇宙を解く ― 現代天文学演習』が指定されています。大学専門課程レベルの高度な内容で、天体の様々な物理現象についての数式レベルでの解説と豊富な演習問題が載っています。参考書という扱いですが実質テキストで、この本に記載されている図表や写真がそのまま問題として使われることが多くあります。

試験前に全ての章節をザーッと目を通しておくつもりだったのですが、結局まともに読んだのは半分ほどで、残りは図表やキーワードだけをざっくりスキャニングするだけになってしまいました。

(中略)

参考書である『超・宇宙を解く ― 現代天文学演習』は細かい部分からも出題されるようで、かなりの熟読が必要だと分かりました。太字になっている部分はもちろん、演習や研究といった発展的な部分もしっかり目を通しておいた方が良さそうです。 (from 天文宇宙検定 1 級受験記 (1st try))

昨年は公式問題集で時間が取られてしまい、この参考書は半分くらいしか読めませんでした。そこで今年は公式問題集の復習を後回しにして、まずこの本を通読しました (読書ログ)。分からない用語などは Wikipedia や天文学辞典で調べ、オンラインのノート (Google Docs) にまとめておきました。通勤中や試験前に要点の確認ができて便利でした。

ちなみに 2020 年 2 月に『極・宇宙を解く ― 現代天文学演習』というタイトルで改訂版が出版される予定で、次回第 10 回試験はそちらから出題されるそうです。

新しい参考書

公式問題集

公式問題集は二年に一度のペースで出版されています。2018-2019 年版の問題集が昨年出版されたため、今年は新しく出版されませんでした。私は 2016-2017 年版と 2018-2019 年版の問題集を持っていたので、それらを一通り解き直しました。去年何周も解いて完璧にしたはずだったのに結構忘れていました。

過去問

2017 年と 2018 年の過去問を解きました。2018 年の問題と解答はオンラインで公開されています。以前は 2017 年の過去問も公開されていましたがもう公開されていないようです。公開されているうちに保存しておくことをおすすめします。公式問題集にも過去問が載っていますが全部はカバーされていません。

宇宙関係の本

参考書では得られない知識を得ようと宇宙関係の本を読みました。・・・といっても、今年は一冊しか読んでません。ロケットに関する知識が手薄だと思い「トコトンやさしい宇宙ロケットの本」を読みました。なんと今年この本に記載のあるツィオルコフスキーの液体ロケットの図が出題されたのですが、残念ながら間違えました :(

トコトンやさしい宇宙ロケットの本・表紙

あとは日経サイエンスを定期購読していました。時事問題の対策に役立ちました。

ネットサーフィン

分からない用語や事象は Wikipedia や天文学辞典で調べ、オンラインのノートにまとめていました。

この参考書がカバーしているのは天体物理学だけなので、その他の分野については別途キャッチアップする必要があります。人工衛星や探査機に関する情報は JAXA や各探査機毎の Twitter アカウントをフォローするなどして情報を集める必要がありそうです。探査機や望遠鏡に関しては、どれが何を観測し、そして何を明らかにしようとしているのか網羅的に理解している必要があると感じました。 (from 天文宇宙検定 1 級受験記 (1st try))

去年の反省にある通り、観測衛星や探査機などは知らないと答えられないため、各種公式 Twitter アカウントをフォローして新しい情報をチェックしつつ、天文学辞典にある宇宙望遠鏡カテゴリなどを上から順番に読みました。

こうやって天文関係の記事を読み漁っていたらスマートフォンのアシスタント機能が勝手に記事をサジェストしてくれるようになりました。新着記事や話題の記事を追う手間が省けてとても便利でした。

その他

SF 作品に関する問題は正直どうしたらいいか分からないです。有名な作品から順番にあらすじを読むしかなさそう。 (from 天文宇宙検定 1 級受験記 (1st try))

結局 SF 作品に関しては何もしませんでした。今年は 1 問も出題されなかったですね。

試験の手応えと来年に向けて

参考書を通読したおかげで理論や計算に関する問題は結構解けました。一方で知識を問う問題があまりできませんでした。特に今回は天文台の周辺環境や天文学者の業績に関する出題がありましたが分かりませんでした。来年はこの辺りの知識を補完したいと思っています。

あともう少し情報を集めるチャネルを増やそうと天文関係の雑誌を定期購読しようと思ってます。とりあえず『天文ガイド』と『月刊星ナビ』を買ってみたんですが、読む時間がなくて早速積まれているのでどうにかしたいところ。

めげずに来年も頑張ります。

クリアケース

注釈

  1. 送られてきた結果通知には 1 級不合格のことしか書かれていなくて「準 1 級は何もないの・・・?」とがっかりしましたが、その数日後に準 1 級合格証が送られてきました。今回は運営の都合で別送したらしいです。