『火星ガイドブック』の読書メモです。天文宇宙検定に向けて火星に関する知識を補強したいのと、オリンポス山に興味のある息子に火星のことをもっと教えてあげたくて読みました。あと今年は火星探査機パーシビアランスの打ち上げもあって火星が盛り上がっている!

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読書メモ

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第 1 章 火星の楽しみ方

  • 火星の軌道、地球からの見え方の変化、火星の四季、極冠の変化、火星の主な模様と地形、など。
  • 地球が円に近い軌道を回るのに対し、火星は楕円軌道を回るため、両者の接近時の距離は軌道上のどこで接近したかによって大きく変わる。また地軸の傾きにより季節変化があるが、楕円軌道のため南北で対称的な季節変化にはならない。
  • 模様と地形の説明が火星表面図のどの部分に対応するのかが分かりにくかったので、それが改善されると良いな。

第 2 章 望遠鏡での観測時代

  • ガリレオから始まる望遠鏡観測の歴史を紹介した章。望遠鏡の精度向上に伴う新発見とそれを成し遂げた観測者の紹介、表面模様のスケッチから火星地図作成への流れ、火星の地名の命名、運河論争、火星人に関する論争、など。

第 3 章 火星の地史

  • 火星の地質図、太陽系と火星の誕生シナリオ、火星の地質年代 (ノアキアン・ヘスペリアン・アマゾニアン)、火星の衛星 (フォボス・ダイモス)、など。
  • 火星は木星の影響で地球ほどのサイズになれず、そのせいで大気を留めておくだけの重力を得られなかったのか。
  • 火星にも地質年代が設定されていることを知らなかった。まだサンプルリターンできていないため、主に探査機による現地調査と隕石衝突クレーターの密度で地質年代を推定するクレーター年代学によって決められている。クレーター年代学はアポロ計画などで得た月の試料を元に構築されているらしい。

第 4 章 生命は?積み重ねた探査成果

  • 火星探査機 (軌道周回機・着陸機) の歴史、各探査機の行った実験と成果、など。
  • 火星探査機の名称と投入順序があやふやだったんだけど、本章を読んでその順序と関係性がだいぶ整理された。火星探査は成功率が低くて難しいミッションだね・・・。
  • マントル対流を維持して磁場を形成するには質量も重要になるんだね。質量が小さいと冷めやすい。

第 5 章 新しい火星像

  • 火星の地形の特徴とその内部構造、タルシス地形と巨大な火山群、マリネリス峡谷と河川地形、火星の大気と気候、北極冠と南極冠の消長、ダストストーム、など。
  • 火星の火山というと太陽系最大のオリンポス山だけど、タルシス三山やエリシウム山もめちゃくちゃでかい。火星に超巨大火山ができるのはプレートテクトニクスがないため噴出口が動かず、また重力が弱くて雨風による風化も起こりにくいので噴出物が溜まり続けたことによるらしい。
  • あと火星といえば激しいダストストームも有名だけど、数年に一度の頻度で全球を覆うほどのダストストームも発生するらしい。この全球的なダストストームが起こっているときの写真を見ると、火星の特徴的な地形が完全に隠されてのっぺりした見た目になっているのがわかる。ダストストームの画像は NASA のページで見れる。

感想

とても勉強になった。今火星に向かっているパーシビアランスがどんな新情報をもたらしてくれるのかより一層楽しみになった。