『木星・土星ガイドブック』を読んだ
『木星・土星ガイドブック』の読書メモです。
読んだ動機・感想
- 本書の存在は「天文宇宙検定」を受験したときにもらったパンフレットを見て知りました。以前読んだ同じ著者の『火星ガイドブック』が面白かったので本書も読みました。
- 木星や土星はもちろん、それらの衛星についても分かっていること分かっていないことが色々書かれていて勉強になりました。衛星は恒星や惑星に比べてあまり興味がなくてエンケラドスくらいしかちゃんと知らなかったけど、想像していた以上に多様な環境が広がっていて俄然興味が湧いてきました。
- 全編カラーで写真も豊富で眺めてるだけで楽しい。
読書メモ
第 1 章 神話から宇宙の仲間へ
- 夜空における惑星の見え方と動き、古代における惑星の捉え方と神話、ガリレオ衛星、衛星イオの食、光速の計算、木星の大赤斑、土星のリングの発見、など。
- ガリレオによる土星観測の話が面白かった。望遠鏡の精度が悪くてリングが取っ手のように見えてたらしいんだけど、再観測のタイミングがちょうどリングが消失する時期(薄いリングを真横から見る時期)と重なったため、それが見えなくなって困惑したらしい。
第 2 章 木星・土星の見方、楽しみ方
- 木星と土星の動き、よく見える時期、太陽系の惑星会合の時期と見え方、ガリレオ衛星と軌道共鳴、木星の縞模様と大赤斑の時間変化、土星のリングの見え方と時間変化、など。
第 3 章 木星・土星の素顔
- 木星・金星の内部と表層大気の構造、木星・金星表面の縞模様の名称とその成り立ち、木星・金星探査の歴史、木星の大赤斑の仕組み、木星と土星のオーロラ、土星の大白斑、土星のリングの構造、など。
第 4 章 木星と土星の衛星
- 木星と土星の主要な衛星について、その地質学的な特徴、大気・表層・内部の構造などを紹介した章。今まで読んだ中で本章が一番面白かった。
- 惑星からの距離に応じて様子が異なっていて、惑星に近いほど潮汐加熱によって地質学的な活動が活発であると考えられている。
- 土星の衛星ミマスといえばその直径の 1/3 にも及ぶ巨大なクレーター(ハーシェルクレーター)が有名。それを形成した衝突はすさまじく、ミマスの裏側にまで衝撃波で破砕された跡が見えるらしいんだけど、裏側の写真を見てもよく分からない。
第 5 章 探査機の歴史と成果
- スイングバイ航法、各種探査機(パイオニア 10 号と 11 号、ボイジャー 1 号と 2 号、ガリレオ、ジュノー、カッシーニとホイヘンス)の軌道・観測ミッション・成果、など。
- 木星や土星そしてその衛星の探査機ミッションって打ち上げまでの準備と打ち上げてから目的地までたどり着くのに何年もかかるわけで、初期から携わってる人たちはどういう気持ちでその日を待ち続けてるんだろうね。
第 6 章 巨大ガス惑星の形成をたどる
- 太陽系形成のモデル(京都モデル・ニースモデル・グランドタックモデル)、太陽系外惑星の発見と太陽系惑星との違い、など。