統計検定 2 級受験記
統計検定 2 級 (2019 年 6 月 16 日実施) を受けてきました。本記事では統計検定の紹介と私がやってきたことをまとめました。
ちなみに正式な結果通知は 7 月ですが、自己採点で 35 問中 25 問正解でした。100 点満点中 70 点以上が合格で、35 問の 7 割は 24.5 問なのでかなり微妙なライン。配点次第で合否が決まりそうです。
2019/07/08 追記: Web 合格者発表があり、2 級合格してました!
統計検定とは
統計検定は 2011 年に始まった統計学に関する検定試験です。統計検定の公式ページでは下記のように説明されています。
「統計検定」とは、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。日本統計学会は、中高生・大学生・職業人を対象に、各レベルに応じて体系的に国際通用性のある統計活用能力評価システムを研究開発し、統計検定として実施します。
試験は毎年 6 月 と 11 月に実施されています。級によってはコンピュータを使った CBT (Computer Based Testing) 方式で自由な日時・会場で受験することができます。今回は CBT 方式ではなくペーパー方式のテストを受験しました。
試験について
私が受けた 2 級は 90 分で 5 択式の問題およそ 35 問をマークシートで回答します。100 点満点で、合格点は 70 点以上です。2 級は「大学基礎課程 (1, 2 年次学部共通) で習得すべきこと」について出題されます。具体的には、統計値の算出と解釈、確率論の基礎、標本分布、推定と仮説検定、回帰分析などが中心に出題されます。詳しくは 2 級の要項を見てください。
受験動機
受験動機については以前「2019 年は統計学と機械学習を頑張る」という記事に書きました。
確率論や統計学をしっかり学んでこなかったことに引け目を感じるようになってきた。このモヤモヤを振り払うため、今年は確率論や統計学を基礎から学び直すことにした。独学する場合は検定試験を活用してまずざっくり全体を学んでいくのが自分にとってやりやすい。調べたところ統計検定という試験があることがわかったので、その 4 級から勉強を始めた。
試験対策
大学で確率論や統計学の基礎的な授業を取っていましたが内容を全く覚えておらず、知識の抜け漏れも多そうだったので、一番下の 4 級から順番に勉強しました。
子育てなどで勉強時間の確保が難しい中、わざわざ 4 級からやる意味があるのか悩みましたが、知らないもしくは知ってるけど曖昧な理解だった用語や事柄を整理できて、結果的にやって良かったです。文章や図表の読解の訓練にもなりました。
- 『統計検定 4 級対応「資料の活用」』読了 (2018/12/22)
- 『統計検定 3 級対応「データの分析」』を読んだ (2019/01/12)
- 『統計検定 3 級 • 4 級 公式問題集 (2015-2017 年)』を解いた (2019/02/17)
大学の教科書も読んでみようと思い、評判の良かった『統計学入門』を読みました。この本は東京大学出版会が刊行している基礎統計学シリーズの第一巻で、「入門」と銘打たれていますが数式を多用した本格的な教科書です。
- 『統計学入門』を読んだ (2019/03/20)
『統計学入門』を読み終えたあとに、本腰を入れて統計検定 2 級の勉強を始めました。公式テキスト『統計学基礎』は 4 級や 3 級のテキストと比べて圧倒的に難しかったです。3 級までは公式テキストだけで出題範囲を十分理解できますが、この 2 級テキストで統計学を学び始めるのは無謀だと思いました。
- 『統計検定 2 級対応「統計学基礎」』を読んだ (2019/05/24)
そこで、公式テキストでは試験範囲や要点だけ流し読みで確認し、別の本で本質的な理解を目指すという作戦に変更しました。具体的には『意味がわかる統計解析』をメインに読みつつ過去問題集を解き、それではカバーしきれない部分 (例えば、経済指数や適合度・独立性の検定など) だけ公式テキストを読むようにしていました。
- 『意味がわかる統計解析』を読んだ (2019/06/11)
過去問題集は検定試験二日前に一通り解き終わり、印を付けておいた問題だけもう一回全部解きました。後述しますが、これだと問題演習量が圧倒的に足りなかったです。もう 2, 3 周するくらいやっておきたかった。
- 『統計検定 2 級 公式問題集 (2016-2018 年)』を解いた (2019/06/18)
当日の試験について
水道橋にある中央大学の理工学部キャンパスで受験しました。大学受験の時に行ったことがあるので、その時のことを思い出しながら試験会場に入りました。
試験は時間が足りず問題は難しく、焦って途中から頭が真っ白になりましたが、分からない問題は当てずっぽうで解きつつ何とか最後まで埋めました。箱ひげ図・指数の計算・独立性の検定などの話が一切出ず、データの意味や解釈を問う問題が体感で難しくなっており、過去の問題セットとは少し違った雰囲気を感じました。そもそも過去問題集の中でも年度によって問題セットの雰囲気が違うのでそういうものなのかもしれませんね。
出題範囲はまんべんなく理解していたつもりですが、問題を見て瞬殺できるレベルに達していなかったのが時間不足になった原因だと思います。「落ち着いていれば解ける」というレベルではなく「見た瞬間に解答への正しい道筋が分かり、余裕を持って計算できる」レベルまで問題演習をしておかないと厳しいと感じました。
今後
もし今回 2 級に落ちていたら 11 月に再受験します。もし受かっていたら来年準 1 級もしくは 1 級を受けてみようと思っています。