『複利で伸びる 1 つの習慣』を読みました。習慣の形成について様々な視点から説いた本です。

表紙

以前「日々の小さな習慣が進捗を生み出す」という話を記事に書きました。本書はそれをより深く広範に洞察した内容がまとまっており、習慣に関する考え方を深めることができました。とてもおすすめの本です。

特に以下の点が個人的に刺さりました。

  • 目標ではなく最小習慣(atomic habits)を実現し積み重ねていく「仕組み」に着目することが重要。習慣は時間ではなく頻度によって身につく。
  • 達成したいことではなく、どのようなアイデンティティーを獲得したいかに意識を向ける。習慣はアイデンティティーを体現する方法。
  • 習慣形成とは行動や判断を意識せずに自動的にできるようにすること。心の認知的負荷を減らすことで、その分の心的リソースを他の活動に振り分けることができる。
  • 自動化するためには「いつどこでなにをするのか」を明確にする必要がある。やる気不足はこの明確さの不足によることが多い。

自分を振り返ってみると、自動化のプロセスがうまく機能しておらず「何をやるか」を決めるのに時間がかかり、それが結果として気が散る原因になっていました。手順を見直し、日々の判断にかかる心理的コストを極限まで減らし、効率的にアクションを取れるようにしていきたいと思いました。

また自動化の考え方は習慣形成に限らず一度きりのタスクにも転用できそう。日々のタスクも習慣形成のためのフレームワークと同じように管理するといいのかな。タスクを最小単位まで分割して「いつどこでなにを」に対するアクションとして管理し、ルールにマッチする状況になったら何も考えずにそれをやる、みたいな。TODO リストは作っているけど、それをどのタイミングでトリガーさせるかってところは今まで真面目に考えたことがなかったかもしれない。「時間ができたときにやる」くらいの気持ちで管理してるから、いつまでたってもやる気が出ない。まさに明確さの不足がやる気のなさに繋がっている気がします。

目次

  • 基本 なぜ小さな変化が大きな違いをもたらすのか
    • 第 1 章 最小習慣(アトミックハビッツ)の驚くべき力
    • 第 2 章 習慣がアイデンティティーを形成する(逆もまた真なり)
    • 第 3 章 シンプルな四つのステップで良い習慣を身につける
  • 第一の法則 はっきりさせる
    • 第 4 章 人は正しく見ていない
    • 第 5 章 新しい習慣を始める最善の方法
    • 第 6 章 モチベーションを過大評価せず、環境を重視する
    • 第 7 章 自制心を保つコツ
  • 第二の法則 魅力的にする
    • 第 8 章 習慣を魅力的にする方法
    • 第 9 章 習慣作りにおける家族と友人の役割
    • 第 10 章 悪い習慣を見つけて直す方法
  • 第三の法則 易しくする
    • 第 11 章 ゆっくり歩もう、でも後退してはいけない
    • 第 12 章 最小努力の法則
    • 第 13 章 二分間ルールで先延ばしをやめる方法
    • 第 14 章 良い習慣を必然にし、悪い習慣を不可能にする方法
  • 第四の法則 満足できるものにする
    • 第 15 章 行動変化の大原則
    • 第 16 章 良い習慣を毎日続ける方法
    • 第 17 章 見張ってくれる人がいればすべてが変わる
  • さらなる戦略 改善するだけでなく、本物になるには
    • 第 18 章 才能の真実(遺伝子が関係するときと、そうでないとき)
    • 第 19 章 ゴルディロックスの原理 ― 生活や仕事でモチベーションを保つ方法
    • 第 20 章 良い習慣のマイナス面
    • 結論