私は「何かを習慣化してやり続けてそこそこのレベルまで持っていく」のがわりと得意な方だと思っています。本記事はその辺りのことを言語化してみようという試みです。

大体いつも二つのことを意識しています。一つは「毎日前に進む」、もう一つは「当たり前のレベルを上げる」です。

毎日前に進む

身も蓋もない話ですが、やらないと進捗は出ません。一方、少しでもやり続けていればいつか絶対にゴールに到達できるはずです。眠くても疲れていても毎日ちょっとずつ前に進むべきです1。ここで大事なのは「量はどうでもいい」ということです。「毎日やり続ける」ことが重要で「毎日 15 ページ本を読む」のように決まった分量をこなすことをルールにしてはいけません。破綻します。

さて「いつか絶対にゴールに到達できるはず」と言いましたが、ゴールがあやふやだといつまでも到達できません。ゴールは到達判定可能で少しずつ近づけるものにし、進捗もざっくり確認できるようにします。例えば教科書で勉強しているならそれを読み切るのがゴールです。毎日 1 ページでも読み進めればいつか終わります。ページ数で進捗状況も測れます。

よりメタな視点では「目的」と「目標」の違いを意識する必要があります。目的は最終的に実現したいことで、目標はそこに向かうチェックポイントです。目標は一つの目的に対して複数存在します。今まで述べた「ゴール」は「目標」に当たります。目的はあやふやなことが多いですが、目標は明確であるべきです。例えば私は「統計学を理解する」というふんわりした目的のために「統計学の教科書を読み終える」「統計検定の問題集を解く」という目標を立てています (see: “2019 年は統計学と機械学習を頑張る”)。

目的と目標

目標を達成して小さな成功体験を積み重ねていくと、毎日歩みを進めるのが楽にできるようになります。また、日々の作業ログを残しておくと成長や進捗を感じやすくなります。私はツイッターで読書や作業のログを付けています。

余談ですが「やっていればいつかゴールに到達できる」という考え方は汎用的に使えます。例えば私は皿洗いをしているときは「洗い続けてればいつか終わる」と思いながらやってますし、洗濯物を干しているときは「一枚一枚干してればいつか終わる」と思ってますし、子どもを抱っこして寝かしつけているときは「そのうち絶対寝る」と思いながら過ごしてます。そう考えると少し気楽になります。

当たり前のレベルを上げる

「毎日前に進む」と並行して「これくらいはできて当たり前」のレベルを上げるように意識します。当たり前のレベルを上げることで「どうせやってもできない」という心理的な限界を引き上げ、作業の質や量を高めることができます。当たり前のレベルは周りの環境や日頃挑戦している課題の難易度に左右されます。たとえ背伸びであっても自分よりできる人がたくさんいる環境に入り、そこでの当たり前を自分の当たり前にします。また、新しくできるようになったことは「今度からこれくらいはできて当然」と捉えるようにします。これを少しずつ続けていけば、気づいた頃にはそこそこのレベルに達しているはずです。

当たり前レベルのグラフ

「毎日前に進む」と「当たり前のレベルを上げる」は「質と量の関係」と捉えることもできます。環境の変化以外にも「毎日前に進む」ことで「当たり前のレベル」が上がりますが、これは量が質に転化する例です。

まとめ

本記事では私が意識している「毎日前に進む」と「当たり前のレベルを上げる」という考え方を紹介しました。たいていの物事は目標設定さえ間違えなければ2、これらを実践してそれなりのレベルまで到達できると思います。残念ながら私を含むたいていの人は急激に成長できません。毎日コツコツやりましょう3

  1. ただし具合が悪いときは休もう。 

  2. 目標を適切に決めるのが難しいという話もある。 

  3. そもそも子どもがいると可処分時間が少なくなるのでコツコツやる以外の選択肢が存在しない。