『宮沢賢治と学ぶ宇宙と地球の科学1 ― 宇宙と天体』を読みました。宮沢賢治の作品やエピソードを通して宇宙や地球について学ぶシリーズ全五巻の第一巻です。本巻では宇宙と天体について解説しています。天文学に関する様々な基本知識がフルカラーの挿絵や写真とともにコンパクトにまとまっています。

表紙

宮沢賢治の作品が各章やトピックの導入で引用されており、それに関連した天文学の理論や観測結果が紹介されています。読む前は宮沢賢治の作品紹介がメインで、天文学に関する部分は作品を味わう程度の軽いものだと思っていましたが、実際には宮沢賢治の作品は話の導入に過ぎず、天文学に関する部分がメインで思っていた以上にしっかりと説明がされていました。一通りの話題がコンパクトにまとまっていることから、天文学の総復習にも良さそうです。個人的には第六章「天体の観測」で紹介されていた身体や五円玉を使った天球上の角度の測り方が面白かったです。

  • 第1章 太陽系の天体
  • 第2章 太陽
  • 第3章 恒星
  • 第4章 銀河と銀河系
  • 第5章 宇宙
  • 第6章 天体の観測
  • 第7章 宇宙関連災害

冒頭にも書いたように本書は全五巻のシリーズの第一巻で、他の巻では岩石や地層、海洋といった地球科学の内容が扱われているようです。天文学に比べて知識が足りていないと感じている分野なので、他の巻も読んでみようと思っています。