読書|2020 年版 マンガ宅建士 はじめの一歩
『2020 年版 マンガ宅建士 はじめの一歩』の読書メモです。
土地や建物の情報を眺めるのが趣味なんですが、どうせならもう少し専門的なことも知りたいなと思って本屋で適当に見繕ってきました。
項目毎にマンガ 5-7 ページとその要約補足解説 1-3 ページで構成されています。所々読み下しにくい部分もありましたが全体的に分かりやすく、マンガも雰囲気を掴むのにとても役立ちました。「もう少し専門的なことを知りたい」という目的を果たすことができ、不動産についてさらに興味がわきました。
読書メモ
- 第 1 編「権利関係」
- 民法、借地借家法、区分所有法、不動産登記法に関する話題。
- 正直法律には興味がなかったんだけど、権利関係の話を読んでると色々勉強になって面白い。例えば時効といえば消滅時効をイメージしてたけど取得時効というものもあるんだな。
- 債権の扱いや契約不適合責任などについて読んでるんだけど、かなり面白い。ソフトウェアの仕様策定に近くてエッジケースを潰す工夫が垣間見えて楽しい。例えば債務者が債権者を相続して債権者=債務者となるとその債権が消滅する (混同というらしい) とか、さらに債務者が複数いる時の扱いとか。
- 血縁関係において、自分よりも先祖のことを尊属、自分よりも子孫のことを卑属というのか。さらに直系と傍系に分かれる。配偶者はこれらに含まれない。へー。
- 地上権と借地権って何が違うんだって思ってたんだけど、地上権と土地貸借権の総称が借地権なのか。で、地上権と土地貸借権では権利者が持つ権利の強さが違う。なるほど。
- 区分所有法 (マンション法) について。賃貸とはいえ分譲マンションに住んでいながらマンション管理組合の仕組みが分かってなかったんだけど、これを読んでだいぶ理解が深まった。月並みな感想だけど、マンション管理は色々めんどそう。
- 第 2 編「法令上の制限」
- 都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、土地区画整理法、宅地造成等規制法、などについて。
- 元々建築基準や宅地の扱いに関する部分が知りたかったので本編は特に勉強になった。
- 第 3 編「宅地建物取引業法」
- 宅地建物取引業の仕組みと免許制度、宅地建物取引士の資格と業務、各種保証金や規制、など。
- 宅建士固有の業務って「重要事項の説明」「重要事項説明書への記名押印」「契約成立後に交付する書面への記名押印」の 3 つしかないんだな。そして各事務所などに一定数の宅建士を配置する必要がある、と。色々知らなかった。
- 未成年者が宅建業の免許を取得するには「成年者と同等である」と認められる必要があるんだけど、認められる方法の一つに「結婚したら成年者とみなす」というのがあってびっくりした。民法第 753 条に「婚姻による成年擬制」という規定があって、結婚したものは成年者として扱うらしい。婚姻年齢と成人年齢が 18 歳に統一される関係で今後廃止されるみたい (民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について - 法務省)。
- 第 4 編「税・その他」
- 登録免許税、印紙税、不動産取得税、固定資産税、地価公示、鑑定評価、など。