『マインドセット ― 「やればできる!」の研究』を読みました。

表紙

マインドセット (mindset) とは「心のあり方」であり、筆者によると自分が性格だと思っているものの多くは実はマインドセットによるものだそうです。マインドセットは、硬直マインドセット (fixed mindset) としなやかなマインドセット (growth mindset) に分けられます。硬直したマインドセットの人は、能力は生まれや環境によって決まり、努力は能力の劣ったものがすることだと考え、自身の優れた能力を示し続けることで自己肯定感を得ようとします。一方しなやかなマインドセットの人は、能力は努力次第で伸ばすことができると考え、何か失敗しても外聞を気にして取り繕うのではなく、それを成長の糧として利用することができます。こういったマインドセットの違いが家庭・職場・教育現場・スポーツなど様々な環境でどのような影響を及ぼすのか、そしてしなやかなマインドセットを獲得するにはどうすればいいのか、本書は事例1をふんだんに交えて紹介しています。

一見するとしなやかなマインドセットの持ち主であっても、直面しているものごとや環境の変化によってマインドセットが硬直したり、またしなやかになったりします。常に自分のマインドセットが硬直していないか確認し、それをしなやかに保つことが成長していく上で重要になります。経験的にも「この人はどんどん成長しているな」と感じる人はしなやかなマインドセットを持っていることが多いですね。

本書の中では特に「子どものマインドセットをどのように育むか」という話が気になりました。忙しかったり疲れているとどうしてもネガティブな態度を取ってしまいがちです。子のマインドセットを硬直させるようなことを言っていないか、親としてしなやかなマインドセットを実践して見せているか、などなど、気をつけていきたいです。

なお YouTube で著者による TED talk が公開されています。

目次
- 第1章 マインドセットとは何か
- 第2章 マインドセットでここまで違う
- 第3章 能力と実績のウソホント
- 第4章 スポーツ――チャンピオンのマインドセット
- 第5章 ビジネス――マインドセットとリーダーシップ
- 第6章 つきあい――対人関係のマインドセット
- 第7章 教育――マインドセットを培う
- 第8章 マインドセットをしなやかにしよう
  1. 事例において硬直マインドセットの持ち主がボロクソに書かれていてちょっと読むのがしんどかったです。