『これからのマネジャーの教科書 ― 自己変革し続けるための 3 つの力』を読んだ。

表紙

ここでいう「マネジャー」とは「ミドルマネジャー」のことであり、本書ではミドルマネジャーを以下のように定義している。

一般的に部下を持つ管理職(マネジメント層)でありながら、上位管理職の指揮下に配属されている管理職で、経営層(以下、トップと呼ぶ)と下位(以下、ボトム)との間をつなぐ役目を担い、トップが示した理念やビジョンを部下に伝え、目標実現のための戦略を推進する中間層を指す。他方、現場の状況をボトムから報告を受けて把握し、トップに正確に伝えることもまた求められている。

業界を問わず、期待を超えるミドルマネジャーたちは、スキル(組織として成果を出す力)、ウェイ(仕事に対する想いの力)、ギャップ(周囲との考えの違いを乗り越える力)という 3 つの力を持っており、マネジャーとしての業務に邁進していく中で自己変革のプロセスを通してこれらの力を身に着けていく。またこれらの力は多忙な日々の中で失われたり回復したりするもので、本書では事例として様々な業界の 7 人のミドルマネジャーたちがどのようにその力を身に着け維持しているのかを紹介している。

本書を読んで明日から役立つテクニックが身につくわけではないが、ミドルマネジャーの基本的なタイプや意識すべき心構えが学べ、同時にこれからも頑張ろうという勇気をもらえる本だった。身を任せるままに業務に忙殺されているとウェイやギャップに対する想いは薄れがちなので、自分が何に価値を感じていて、どのようにそれを実現していきたいのか改めて考えてみたいと思いました。

紹介されている事例を見ていると、営業系の部署に転属し、そこでお客さんの顔が見えるようになったのがウェイを確立する上で大きな節目となったという人が多い。自分はプラットフォームを作るソフトウェアエンジニアという立場上、なかなかお客さんの顔が見えにくいが、やはり新機能をローンチしたときにネット上で反応が見れると嬉しいし、困っている人がいればできる限りサポートしたいという気持ちは強く持っている。また、自分が設計開発したプロダクトに対する職人的な矜持は持ち続けていきたいと思っている。その辺りが自分のウェイの源泉なんでしょうね。