『地磁気逆転と「チバニアン」 ― 地球の磁場は、なぜ逆転するのか』を読みました。磁石や地磁気の発見、地磁気発生の仕組み、岩石や海洋底堆積物を使った古地磁気の研究、地磁気の変化を精度良く求める手法の開発、地磁気逆転の仕組みを探る研究、そして千葉セクションがチバニアンとして国際境界模式地に登録されるに至った経緯を紹介した本です。

表紙

読む前はチバニアンを中心にその科学的意義や地磁気の仕組みなどを紹介する本だと思っていましたが、実際には地磁気研究の話が中心で、その集大成として最後にチバニアンの話が出てくる感じで(良い意味で)ちょっと面食らいました。

様々な分野で別々の問題として議論されていた事柄が、プレートテクトニクスへと帰結していく様はさながら地学の大統一理論のようだと思いました。地球の内核の構造がどのように解明されたのか、古地磁気が岩石や海洋堆積物に記録されるメカニズムとそれによる地磁気変化や年代の測定方法が分かって面白かったです。

- 第1章 磁石が指す先には――磁石と地磁気の発見
- 第2章 地磁気の起源――なぜ地球には磁場が存在するのか
- 第3章 地磁気逆転の発見――世界の常識を覆した学説
- 第4章 変動する地磁気――逆転の「前兆」はつかめるか
- 第5章 宇宙からの手紙――それが、謎を解くヒントだった
- 第6章 地磁気逆転の謎は解けるのか――なぜ起きるのか、次はいつか
- 第7章 地磁気逆転とチバニアン――その地層が、地球史に名を刻むまで