『日本はクール!? ― 間違いだらけの日本の魅力発信』を読んだ。

表紙

クールジャパンのアンバサダーを務める筆者が日本のクールジャパン戦略や海外への情報発信について論じた本。曰く、クールジャパンを含む日本の対外戦略は、国内の人の視点に立った国内向けのメッセージ(マイ・ジャパン)と海外の人の視点に立った海外向けのメッセージ(ユア・ジャパン)を混同しており、活動の多くがマイ・ジャパン向けになっている。しかし日本の人が発信したいものと海外の人が興味のあるものは当然違っており、海外の人の視点を欠いた情報発信はうまくいかないと筆者は指摘する。日本は自らブームを作り出そうとするのではなく、海外の人が興味を持っていることを理解し、それを支援していくことが重要になる。

マイ・ジャパンとユア・ジャパンの視点分離の話が面白かった。仕事柄、海外から来た方と話をする機会がぼちぼちあるけど、相手の興味関心を知ろうとせずに自分が伝えたいことを一方的に話すようなことがないように気をつけたい。あと、こういった発信側と受信側のミスマッチはいろんなことに当てはまる現象だなと思った。例えば、講演会で演者が話したいことを一方的に話して聴衆を置いてきぼりにしたりとか。耳が痛い。